子どもの貧困を「かわいそう」で終わらせない。
中学3年生で分数や小数の計算でつまずいているなど、著しい学習の遅れを抱えている子どもたちがいます。
著しい学習の遅れのため、学校の授業にはついていけません。
「このままの成績では、どの高校にも行けない」と三者面談で言われてしまう子どももいます。
学習遅滞が原因で、希望する進路に進めない子どもたちもいます。
家庭に経済的な余裕がなく、学校外の学習機会を得られない子どもたちもいます。
学習意欲が高く、より多くのことを学習したい子どもが自分の可能性を伸ばす機会を得られない状況があります。
また、学習遅滞が大きく、学校の授業にもついていけない子どもにとっては、保証的な学習機会の場を失っていると言えます。
(学校外教育費と学力に相関関係があることも研究によって明らかになっています。)
ロールモデルとなる大人がいないために、自らの将来に展望を描けない子どもたちもいます。
子どもたちは高校や大学に進学することを諦め、就職をすることを周りから促されたり、
定時制などの高校への進学を勧められたりします。
ですが、そのような進路では社会を生きていくための力を身につけるのが難しいという現状があります。
複雑な家庭環境に育ち家庭の中に安心感を持てない子どもや、いじめを受けており学校では安心感を持てない子どもがいます。
自分の存在を認めてくれる「安心・安全」だと思える場所がなく、自己肯定感や自己効力感を育むことができてない子どももいます。
複雑な家庭環境に育ち家庭の中に安心感を持てない子どもや、いじめを受けており学校では安心感を持てない子どもがいます。
自分の存在を認めてくれる「安心・安全」だと思える場所がなく、自己肯定感や自己効力感を育むことができてない子どももいます。
「この寺子屋では、一人一人に寄り添った指導をする」という、スタッフの方が語る言葉に心動いたから参加しました。自分自身、高校時代に自分の存在意義が見いだせなかったときに、自分の存在を認めてくれた教師のおかげで力を取り戻せた経験がありました。厳しい子どもにこそ寄り添いたい、その思いで、塾でもなく家庭教師でもなく、この寺子屋という場で指導をしたいと思いました。
実際に子どもや保護者さまや、学校の先生方の話を聞いていて、子どもの学力が低いのは誰のせいでもない、と思うようになりました。生活費を稼ぐため夜遅くまで働かなければならない保護者さま、夜遅くまで兄弟の子守りをしなければならず勉強をする暇のない生徒、多忙さゆえに、勉強が遅れた子どもにまで手を回しきれない学校の先生方。そういった人たちに出会う中で、教育格差という問題が起こっているのは、学校や保護者が悪いわけではなく、その子自身が悪いわけでも全くない。そう思うようになりました。
その中で、このLFAのプログラムは、教育格差という問題を前に、誰かのせいにしてあきらめるのではなく、自分の力で教育を変えてゆくこと。その重要さと、そのやりがいを、僕に教えて続けてくれる場でした。
殿村靖廣 (東京都内中学校校長先生)
-LFAの学習支援教室に通っている子どもたちにはどんな変化が見られましたか?
一番大きな変化は、学習意欲や学習態度の改善ですね。当時、彼らの中には授業中に体操着を着て寝転がっていたり、自分は勉強ができないと決めつけて授業を全然聞かなかったりする生徒がいました。しかし、現在は授業中の話し合いにも積極的に参加するようになりましたし、自分自身で学習を進められるようになりました。それに伴って、学力も向上しています。授業中寝転がっていた生徒は、先日得意科目の模擬テストで偏差値70近く出したんですよ。学年の中でトップと言われている生徒の成績を抜いてしまったんです。これには教職員一同驚きましたね。また、彼らが学力を底上げしたことによって、学年全体の学力も向上しています。1年間で3科目平均が全国平均(50)を上回ったんです。
-学校現場から見るLFAの価値はどのようなところにあると思いますか?
第一に、低学力層の子どもにとって学習面におけるセーフティーネットになっていると考えています。普通の学校では、低学力の子どもは見捨てられ、排除されてしまう傾向があると思うんです。LFAが導入される前までは、大道中学校では学校教員が放課後に補習を行っていましたが、数十名の低学力層の子どもに対して数名の教員で対応するには限度があります。子どもたちを見捨てたくないという想いはあっても、リソースが足りていない。そこをLFAが代わりに行い、「できた!」「わかった!」という成功体験を獲得することで自信がつき、学力や学習意欲が向上する。そして、それらが学校での学習態度の改善につながっていくんです。
殿村先生インタビュー抜粋:全文はこちら